21世紀少年 下 (2) (ビッグコミックス)
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カスタマーレビュー 
20世紀少年は記憶についての漫画
(2008-12-31)
20世紀少年は伏線が出てくるのが特徴で、それがもっとも
面白いポイントでもあります。
この漫画の特徴として時系列の往復が主軸になっているのが伺えます。
現代が進行し、過去を振り返る。これが一つのテーマとなっているんで
すね。伏線を回収し物語が進行しています。
しかし、ここであえて指摘したいのですが、20世紀少年の物語として
各キャラクターの主観が現代の物語を作っている点です。作品中には2
つのストーリーが交互に展開します。現代のストーリーと過去のストーリー
現代の各キャラは過去の記憶をたどりながら行動します。
だから、謎が深くなる。カツマタくん、フクベエ、サダキヨ全ての記憶が
曖昧で、断絶している。だから、カツマタくんが誰かも分からない。あの
少年時代に何が起こったのか真実はわからない。だから、本当のところは各キャラが
覚えている断片的かつ主観的な事実をつなぎ合わせて、少年時代の記憶を復
元させ、あのころ起こった事実を真実のようなものとして再構築しているだ
けに過ぎないんです。
過去に誰が何をしていたかなんて、一人の人間が把握できるものでは無いし、
自分の知らない所で他の誰かと誰かが何か違うことをしている。自分の記憶
、他人の記憶それは主観的なものである。そういうことがこのマンガの1つの
大きなテーマなんではないでしょうか?
苦労が報われなかった
(2008-11-29)
20世紀少年1巻を読み始めてから結論(ともだちの正体)が知りたくなり、眠い目をこすりながら一気に本書まで通読したものの、あっけない結末であった。
これには怒りではなく、思わず笑ってしまった。
おそらく話が拡がり過ぎて収拾がつかなくなったのであろう。
前半がとても面白かったのでやや残念…。
しかしながら、ここまで読者を惹き付ける漫画は少なく名作と言ってよい。
あの時の悔恨を、
(2008-11-04)
全巻まとめて読みました。ちょっと引き延ばし過ぎ、の感も否めませんが、面白かったです。
最終巻となるこの巻、トモダチの正体はともかくとして、あっても無くても大筋に変わりはないのですが、私は心に迫るものがありました。ヴァーチャルアトラクション(ちょっと無茶苦茶ですが)でケンヂに謝らせた、あれは自己満足に過ぎないでしょう。でも、心に深くささった悔恨、本当はどうすることもできないその棘をなんとかできたなら、という思いが哀しかったです。
それでも、ヴァーチャルは "if" に過ぎず、現実は変わらない。
感傷的ですが、その痛切な思いを、よしとしました。
同世代は2度おいしい
(2008-10-12)
映画を見てその面白さに感激し、T.REXのグレイテストヒッツを買い求め、コミックも一気に読みました。
「トモダチは誰?」「トモダチを見たら死ぬ」といったところまでは怒涛の展開。ところが多くの方が書いておられるように終盤はやや失速気味。この最後の一冊に差し掛かった時は散らかしっぱなしのものをどう終わらせるのか不安になりました。
作者は1960年生まれということですがそのあたりに生れた人間にはもう一つの特典があります。それはとりもなおさず忘れきっていた少年時代に舞い戻れるということです。大阪万博では日本人全部が人類はこれから「進歩」と「調和」を続けると思っていたし、アームストロング船長が月面に降りた時は、本当にすごい時代が来ると心躍ったものです。その他、ローラーゲーム、スプーン曲げ、タイムカプセルなど限られた世代のアイテムが数多く詰め込まれています。若い世代の方もオヤジや上司がどんな少年時代を送ったかを知ることができ、世代間の溝が少しは埋まるかもわかりません。
救いはあったのかなあ
(2008-10-10)
私のことですが、子供を持ってから涙もろくなりました。電車で読んでいて「うっ」とか言ってボロボロ泣いてしまうこともあります。この漫画にも泣きどころが、たくさんありました。あいつがあんな死に方をしていたり、あいつが生きていてくれたり、あいつが頑張ってくれていたり、なのに泣けなかった。きっとそれは、一番感情移入していた登場人物が「ともだち」だったから。仲間たちのそばには、輪に入っていけない不器用なやつがいたりするものです。そんな立場に置かれたことのある人間は、少なくないと思います。嫉妬や羨望が、自分ではどうすることもできないくらいに膨れ上がった時、人は「ともだち」になってしまうのでしょう。そんな個人的な悲劇が、社会や世界を巻き込んで大きな悲劇を招いてしまうのを、私たちは何度も目撃してきました。きっと浦沢直樹という漫画家さんは、悲劇の構造を描きたかったのだと思います。単にミステリアスな設定とサスペンスフルな展開だけでは、ここまでの支持を集めることはできなかったと思います。実はマンガを読んだのは十何年かぶりでしたが、この漫画を読みのがさなくてよかったと思います。

